大学病院や総合病院はシフトに夜勤が入ることも多く、多くの患者を診るために病棟内を走り回っている看護師も少なくありません。もっと時間に余裕を持ちたい、日勤だけで働きたいという希望から、クリニックへ転職する人も多いのです。しかし実際にクリニックで働いてみると、思い描いていたものとは違うといった点も見えてきます。給与が下がるというのは、求人情報などからも読み取ることができるでしょう。夜勤はクリニックにありませんし、日祝日は基本的に休みです。ということは、深夜や休日手当がなく、同じ基本給であっても手取りが少なくなってしまうと考えられます。
そして休暇をとるときにも思い通りにいかないという意見が多く聞かれます。クリニックは基本的に少人数の看護師でやりくりをしています。そのため、診療日に有休を使って長期休暇をとるということが難しいからです。家族の急病のために、急に休みをとりたいと言っても無理なこともあります。日曜日などの休診日は必ず休めて残業も少ないことから、日々のスケジュールは立てやすいのですが、多くの看護師を抱える大病院のようにシフトの変更は難しいことは覚えておいた方が良いでしょう。さらに上昇志向の強い看護師は、クリニックではスキルアップが難しいという点に注意する必要があります。クリニックに訪れる患者は重篤な患者はあまりいません。そのため看護師としての技術的なスキルを磨く場としては不十分なこともあります。患者との距離が近いため、より患者に寄り添った看護ができる点は魅力ですが、看護師としての腕を磨くには物足りないことが多いといえるでしょう。